厚生労働省が介護保険の福祉用具貸与・販売の見直しに向けた検討を進めている。その大枠の方向性を来月にも示す考えだ。【Joint編集部】
20日に有識者会議を開催した。
福祉用具を貸与で使うか、販売で使うかを利用者が選べる選択制の導入の是非などを、改めて論点として提示。相対的に廉価な種目などを販売でも提供できるようにすることで、保険給付や利用者負担の抑制につなげる狙いがある。
厚労省は8月末に開催する次回の会合で、有識者会議としての一定の取りまとめを行う予定。選択制導入の是非も含め、そこで今後の対応のアウトラインを描く。その後、来年度の介護報酬改定を議論する審議会(社会保障審議会・介護給付費分科会)などで具体策を詰めていく。
選択制導入をめぐっては、これまでの有識者会議で委員から「販売では高齢者の状態変化に対応できない」、「貸与でないとメンテナンスや安全性の確保が難しい」といった慎重論が出ていた。今回の会合でも同様の声が噴出。厚労省は今後、こうした懸念も考慮に入れて慎重に検討を深めていく構えだ。