厚生労働省は23日に社会保障審議会・障害者部会を開催し、障害者に対する虐待の状況を明らかにする調査の最新の結果(2021年度調査)を報告した。【Joint編集部】
「国全体として強く取り組むべきもの。こうした状況を看過しておくことは絶対にあってはならない。早急な対応を求めたい」。委員からはこんな問題提起が相次いだ。
今回報告された調査結果は、今年3月に公表されていたもの。それによると、2021年度の障害福祉サービスの職員による虐待についての相談・通報は3208件にのぼった。前年度より343件増加し、過去最多となっている。
このうち、虐待の事実が認められたのは699件。5年前(401件)の約1.7倍に増え、こちらも最多を更新している。
こうした結果について障害者部会の委員からは、
「虐待防止の意識が高まったから件数が増えた、という認識はそろそろ卒業してほしい」
「しっかりした要因分析をすべきではないか」
「件数が減っていくように取り組む時期だと思う。もっと効果的な施策を検討してほしい」
など、厚労省への注文が続出した。厚労省の担当者はこれを受け、「引き続き虐待防止の意識啓発に努めるとともに、虐待の未然防止や早期発見に向けた取り組みに力を入れる」と応じた。