日本介護支援専門員協会は25日に総会を開き、今年度の事業計画や重点課題などを報告した。【Joint編集部】
ケアマネジャーの人材確保、それにつながる介護報酬の引き上げ、処遇改善、業務負担の軽減などを最優先に取り組むと説明。今年の年末に議論が佳境に入る次の制度改正・報酬改定を念頭に、政府・与党への働きかけをより積極的に行っていく方針を確認した。
総会で共有されたのは、足元でケアマネ不足が進んで深刻度が増していることへの強い危機感だ。その職務に就こうとする人が以前より大幅に減ったほか、現職の高齢化が進んで一線を退く人も後を絶たない。
「人材確保が一番大きな課題。若い世代に志望して頂かないと介護支援専門員の未来は厳しい」
七種秀樹副会長は総会でこう問題を提起。出席者からも同様の懸念が示され、対策を早期に講じることの必要性を指摘する人も複数いた。
協会は今年、ケアマネ不足の実態・要因や人材確保の課題、有効な方策などを幅広く明らかにする調査を実施する計画。秋以降、結果をタイムリーに公表していき介護報酬の引き上げ、処遇改善などの要請に役立てる考えだ。
あわせて、「地位向上・人材確保に関する特別委員会」も新設する。
ここではケアマネの将来像も含めてより中・長期的な検討を行い、国への具体策の提言などにつなげていくという。七種副会長は、「十分なシンクタンク機能を持ち、データ戦略もしっかりとっていかないと厳しい交渉の中では通用しない。介護支援専門員になりたい、と思う人が少しでも増えるように活動していく」と述べた。
協会はこのほか、組織力の強化、社会的な発言力の強化にも引き続き尽力すると説明。柴口会長は会見で、「介護支援専門員の処遇改善は介護支援専門員が自ら訴えていかないといけない。他の誰かが代わりに助けてくれる、なんてことはない」と語り、全国のケアマネに広く協力を呼びかけた。