厚生労働省が2日に公表した人口動態統計によると、昨年に国内で生まれた日本人の赤ちゃんは77万747人だった。【Joint編集部】
80万人を割り込むのは、戦争の混乱などで記録の無い1944年から46年を除き、統計が始まった1899年(明治32年)以来初めてのこととなる。未だ少子化に歯止めがかかっておらず、医療や介護、年金など社会保障の今後をめぐる議論にも大きな影響が及びそうだ。
このデータは、昨年の1月1日から12月31日にかけての自治体への届け出を集計したもの。
出生数は前年から4万875人(5.0%)減り、7年連続で過去最少を更新した。1人の女性が生涯に産む子どもの人数を示す合計特殊出生率も1.26となり、2005年と並ぶ過去最低に沈んでいる。
一方、昨年の死亡数は156万8961人で過去最多だった。亡くなった人から生まれた人を差し引いた人口の自然減は79万8214人で、過去最大の減少幅を記録している。
こうした統計を踏まえ厚労省の担当者は、「少子化の背景は一概には言えないが、コロナ禍が出産・育児に不安を与えるなど少なからず影響を及ぼした可能性がある」と説明した。
加藤勝信厚労相は2日の閣議後会見で、「少子化対策は日本の社会機能の維持にも関わる待ったなしの課題。子ども子育て支援の一層の充実に努めていきたい」と述べた。