政府の「規制改革推進会議」で分野横断的なテーマを扱う「共通課題対策ワーキング・グループ」は24日、自治体の非合理なローカルルールの解消を強く訴える意見書の原案を提示した。【Joint編集部】
原案では、「書式・様式などの行政手続き上のローカルルールは、民間事業者のデジタル技術を用いた業務効率化の阻害要因になる。日本のDX実現に向けて見直すべき喫緊の課題」と問題を提起。「一部には地域的差異を設ける合理性に乏しいものの存在が指摘されている。国民や事業者にとって大きな負担になるだけでなく、各種制度や行政への不公平感・不信感を助長することにもつながりかねない」と踏み込んだ。
加えて、「分権化すべきは政策であって書式・様式など業務の細目ではない」と強調した。
そのうえで、「可及的速やかに見直しを図るべき」と提言。地域の実態を把握したうえで、合理性のないローカルルールをなくすべく国が法令改正や助言などを行うべきとした。内閣府は今後、正式な意見書の公表に向けて調整を進める方針だ。
ローカルルールの是正は介護分野でも大きな課題となっている。以前と比べると取り組みが進んできたものの、その浸透はまだ必ずしも十分とは言えない。厚生労働省が今月17日の審議会に報告した調査結果によると、介護報酬の加算の届け出に関して国の標準様式を「全て修正を加えず利用している」と答えた自治体は、全体の半数あまりにとどまっていた。