来年度に控える医療、介護、障害福祉の報酬の“トリプル改定”に向けて、厚生労働省は19日、制度横断的な論点の整理などを図る意見交換会を開催した。【Joint編集部】
介護施設の医療提供体制の強化をテーマとして取り上げた。
高齢化などで看取りも含む医療ニーズが一段と高まっているとの現状認識を示し、「対応力の向上が求められる」と説明。これから年末にかけて具体策を検討していく方針を打ち出した。
主な“検討の視点”としては、
○ 施設の専門職によるサービスの充実
○ 外部の協力医療機関との連携強化
○ 服薬管理のより適切な運用
○ 感染症対策の強化
などをあげた。特養や老健、介護付きホーム、グループホームといったタイプごとの特性の違い、それに応じて人員配置などの環境がそれぞれ異なることも考慮しつつ、現場の実情に合った有効な手を打つことが大きな課題となる。
意見交換の中で日本慢性期医療協会の池端幸彦副会長は、「外から訪問診療・訪問看護が入れる窓口を更に拡げる方法がないか検討して欲しい。報酬も含めてもう少し連携しやすい仕組みを作るべき」と要請。日本看護協会の田母神裕美常任理事は、「看護職員の配置や地域の訪問看護ステーションとの連携を充実させる仕組みが重要」と提言した。
また、全国老人福祉施設協議会の古谷忠之参与は、「緊急時・看取り時の介護報酬と診療報酬の対応範囲をより明確にすること、オンライン診療も含めて配置医師以外の医師が柔軟に対応できるようにすること、などの検討が必要」と主張。日本医師会の江澤和彦常任理事は、「介護施設と医療機関の平素からの連携が重要。介護施設側から気軽に相談できる関係性がポイントとなる」と語った。