17日、介護現場の事務負担の軽減に向けた施策を検討している社会保障審議会の専門委員会が開かれた。【Joint編集部】
厚生労働省はここで、介護施設・事業所の指定申請や報酬請求などに用いる書類の全国統一的な標準様式について、自治体の活用状況を探った調査の結果を報告した。
それによると、介護報酬の加算の届け出に関して国の標準様式を「すべて修正を加えず利用している」と答えた自治体は55.9%。全体の半数あまりにとどまっていた。
また、総合事業の指定申請に関して国の標準様式を「すべて修正を加えず利用している」としたのは34.1%。標準様式を使っていなかったり独自に改変していたりするところが多い、という実態が明らかにされている。
この調査は、全国すべての都道府県・市町村が対象(1788団体)。昨年の10月から11月にかけて行われ、44.7%の800自治体から回答を得ている。
こうした調査結果を受けて専門委では、「まだまだ多くのローカルルールが残っている」「更に具体的な手を打っていく必要がある」など、厚労省に改善を促す声が相次いだ。
介護の書類の全国統一的な標準様式は、過度なローカルルールを廃して介護現場の生産性を高めるために厚労省が策定・公表しているもの。特に自治体をまたいで複数の介護施設・事業所を運営している事業者にとって、書類の様式がそれぞれ違うと個別の対応が必要となって大きな負担となる。
厚労省は今年3月、全国の自治体に関係する省令・告示の改正を通知。原則として全国統一的な標準様式を活用することをルール化し、これを2024年度から適用する方針を示した経緯がある。