福祉医療機構(WAM)は16日、介護保険サービスの訪問介護の経営状況を明らかにする調査レポートを新たに公表した。【Joint編集部】
昨年度の決算で、全体の40.1%の事業所が赤字だったと報告。今年度の決算の見通しにも触れ、「昨今のガソリン価格の高止まりにより、経費率が上昇するなど経営を圧迫することが予想される」と警鐘を鳴らした。
この調査は、WAMが貸付先の訪問介護1846事業所の財務諸表などを分析してまとめたもの。
黒字の事業所と赤字の事業所を比べると、サービス活動収益におよそ2倍の違いがある。WAMは「事業規模の違いは歴然」と説明した。黒字の事業所は「身体介護」の割合が高く、収入単価も相対的に高くなっていた。
このほか、営利法人の併設事業所をみると、ひと月あたりの提供回数が単独型の1.5倍になっており、赤字の事業所の割合(27.4%)は低くなっている。
また、WAMは訪問介護が受けたコロナ禍の影響について、「生活援助の需要が一時的に落ちたものの、入所系サービスや通所系サービスと比べるとあまり大きくなかった」との見方を示した。