次の2024年度の介護保険制度改正をめぐり、居宅介護支援のケアマネジメントにも利用者負担を新たに導入する案が見送りになったことについて、日本介護支援専門員協会の柴口里則会長がインタビューに応えた。【Joint編集部】
協会がこれまで一貫して反対を主張してきたことを念頭に、「ひとまず良かった。適切な判断をしてもらった」と評価。「関係者が皆で足並みを揃えて各方面へ働きかけた結果、デメリットが大きいという正しい理解が広まった。チームワークの成果だ」と振り返った。
昨今の物価高騰なども政府の判断に影響したかと尋ねると、「そうした大きな社会情勢の変化は、常に様々な判断に影響を及ぼすものだと思う。当協会では関係各所に働きかけを行うにあたり、情報収集システム(モニター調査)を活用して現場の情勢の変化を把握した」と述べた。
厚生労働省の審議会の意見書に、2027年度の制度改正までにケアプラン有料化の是非の結論を出すと明記されたことについては、「かつてない厳しい状況だ。ただ我々は反対の声をあげ続けていく」と表明。「これまで何度も実行する、実行すると言われたが、理解ある関係者とともに現行制度を守ってきた。2027年度だってどうなるか分からない。我々は最後の最後まで、介護支援専門員のための働きかけをやめない」と明言した。
柴口会長はこのほか、介護予防支援の指定対象に2024年度から居宅介護支援事業所が加えられることについて、「ケアマネジメントを介護支援専門員が担うのは自然なこと」と評価した。そのうえで、「問題は介護報酬の水準だ。そこを適切に設定しないと居宅介護支援事業所への移行は進まない」と指摘し、報酬増を呼びかけていく意向を示した。