相模原市の障害者支援施設「津久井やまゆり園」で26日に追悼式が行われた。19人が刃物で殺害され、27人が重軽傷をおった事件から6年。参列者らは犠牲者を深く悼んだ。神奈川県の黒岩祐治知事は事件の再発防止のためにも、「当事者目線の障害福祉」を目指していくと誓った。【鈴木啓純】
追悼式には62人が参列。会場の式壇には、現在の利用者が折り紙で折った19色のやまゆりの花束と白のやまゆりで包み込んだ標柱が置かれ、利用者が犠牲者をしのんで描いた19枚の絵も飾られていた。
式典では黒岩知事が、意思疎通を図れない人間は生きている意味がない、といった犯人の間違った考え方を強く非難。事件を踏まえ、「当事者目線の障害福祉が当たり前の世の中になるよう全力を尽くす」と述べた。
その後、1分間の黙とうがささげられ、園内に設置された「鎮魂のモニュメント」には多くの花束が手向けられた。
式典後の記者会見で、津久井やまゆり園を運営する社会福祉法人「かながわ共同会」の山下康理事長は、「私たちは19名を守れなかったことに対して深い反省をしながら、今後とも支援を継続していかなければならない」と話した。
また、「犯人は重度の障害者の方々には心が無いという発言をしていたが、決してそうではない。心があるからこそ、私たちは意志決定支援の取り組みをしている。この取り組みに全力をささげていきたい」と語った。
2016年7月26日、植松聖死刑囚が障害者に対する差別的な考えから入所者ら19人を刃物で殺害、27人に重軽傷を負わせた。植松死刑囚は2020年3月16日に死刑判決を受けている。