全国の介護職員でつくる労働組合「UAゼンセン日本介護クラフトユニオン(NCCU)」は10日、組合員の就業意識や労働環境などを把握するための調査の結果を新たに公表した。【鈴木啓純】
働くうえでの不満が「ある」と答えた介護職員は75.7%(前回70.0%)に増加。「ない」は21.9%(同28.1%)に減っていた。
不満の理由では「賃金が安い」が最多。また、「仕事量が多い」「何年経っても賃金が上がらない」「連休が取りにくい」などの声もあがっていた。こうした不満から離職を考えたことがある人は、65.1%にのぼっていた。
この調査は、今年の3月から4月にかけてNCCUの組合員を対象に行われたもの。月給制で働く3935人の回答を集計している。
有給について聞いたところ、18.6%が「なかなか取れない」、1.8%が「全く取れない」と答えており、これをあわせると20.4%だった。その理由では、「人手不足」「仕事量が多い」「周囲に迷惑をかける」などが目立っていた。
NCCUの染川朗会長は、「賃金水準が低いことが大きな不満の要因になっている」と指摘。「最も有効な人材確保策は処遇の改善。重点的かつ速やかに具体策を講じる必要がある」と訴えた。