SOMPOケア、介護事業者のDX支援で来年度から新事業を展開 NDソフト子会社化も活かす
SOMPOケアは12日に会見を開き、他の介護事業者のデジタル化を後押しする新事業を来年度から始めると明らかにした。プロジェクト名は「egaku」。【Joint編集部】
昨年12月に発表したエヌ・デーソフトウェアの子会社化も、この「egaku」の展開に活かすことが大きな狙いの1つだと説明した。
SOMPOケアの新事業は、膨大な介護データをサービスの質、生産性の向上に役立てるアプリケーションの提供が柱。その導入の支援や運用ノウハウの提供なども一体的に行っていく。準備を進めているアプリには、
○ 高齢者の状態変化を予測するもの
○ 最適なケアの検討・実践を下支えするもの
○ ケアプラン作成業務を支援するもの
などが含まれる。来年度から事業を始め、2030年度までに1万3000事業所への導入、約300億円の売上を目指す。
会見で遠藤健代表取締役会長 CEOは、「egaku」の生産性向上のアプリ・ノウハウを将来的に業界のデファクト・スタンダード(事実上の標準)に育てる、との目標を掲げた。「自社だけで支えられる高齢者の数には限界がある。介護産業全体の変革をリードし、より多くの高齢者を支えていける事業者へと変貌を遂げたい。我々は新たなステージに入る決意をした」と語った。
業界トップシェアのエヌ・デーソフトウェアのプロダクト、チャネル、顧客基盤などもこの新事業に活かしていく。「ほのぼの」シリーズなどを引き続き成長させ、「egaku」の各アプリとの連携も深化させていくほか、匿名性を担保したデータ基盤の一層の強化にも注力する。これをサービスの精度の更なる向上につなげる、という好循環を生み出していく計画だ。
遠藤CEOは会見で、「今年度に入って『egaku』の事業プランが具体化し始めた頃から、エヌ・デーソフトウェアとの協業の可能性を検討し始めていた」と説明。子会社化の理由にはこのほか、
○ 施設系・在宅系など幅広い介護事業者の顧客基盤を持っていること
○ 営業所・販売代理店を活用した全国的な営業基盤を持っていること
○ タブレット導入など業界に先駆けたプロダクト開発の実績があること
などもあげた。