厚生労働省は23日、高齢者虐待の状況を把握する調査の最新(2021年度)の結果を公表した。【Joint編集部】
介護施設・事業所の職員が加害者となったケースをみると、昨年度に虐待と判断されたのは739件。過去最多を更新した。
この調査は、高齢者虐待の実態を把握する目的で厚労省が毎年実施しているもの。全国の自治体の報告を国が集計・公表している。
それによると、介護施設・事業所の職員が加害者となったケースの昨年度の相談・通報件数は2390件。こちらも過去最多を更新していた。
虐待の発生要因としては、「教育・知識・介護技術などに関する問題」が56.2%で最多。このほか、「職員のストレスや感情コントロールの問題(22.9%)」、「虐待を助長する組織風土や職員間の関係の悪さ、管理体制など(21.5%)」も少なくなかった。
厚労省の担当者は虐待の相談・通報や発覚が増えている背景について、「介護現場で虐待防止の意識が高まっていることが一因」と説明。このほか、厳しい人手不足や労働環境などが影響している可能性もある。