政府が14日に閣議決定した今年の「高齢社会白書」には、東京23区内で発生した高齢者の孤独死の件数が報告されている。【北村俊輔】
65歳以上の孤独死とみられるケースは、最新データの2020年で4238件。前年より302件多かった。増加はこれで9年連続。独居の高齢者が以前より増えていることが、右肩上がりで推移している一因とみられる。
これは死因が分からず急に亡くなった人などの検案、解剖を担う東京都監察医務院の報告を内閣府がまとめたもの。東京23区の孤独死は過去10年で最少だった2011年と比べ、およそ1.6倍に増加している。
「高齢社会白書」にはこのほか、1人暮らしの60歳以上の50.8%が孤独死を「身近な問題」だと感じている、との調査結果も盛り込まれた。夫婦のみの世帯は31.1%、その他の世帯は31.5%。多くの人が孤独死を必ずしも”他人ごと”と捉えていないことが改めて浮き彫りになっている。