全国の介護職員で組織する労働組合「UAゼンセン日本介護クラフトユニオン(NCCU)」は9日、臨時の介護報酬改定を求める要望書を厚生労働省へ提出した。【Joint編集部】
足元の物価上昇率を超える介護報酬の引き上げ、介護職員の処遇改善を行うべきと主張した。
NCCUは要望書で、政府が10月に閣議決定した総合経済対策の中に「物価上昇に負けない賃上げ」を明記していることに言及。物価上昇分を利用者負担に転嫁できない介護現場は、公定価格を据え置かれたまま置き去りにされ、一段と厳しい状況に追い込まれていると問題を提起した。
そのうえで、「国の『物価上昇に負けない賃上げ』が実現した場合、介護業界と他業界の賃金格差が更に拡大することは明白」と指摘。「入職者の減少や離職につながり、介護保険制度は働く人の側から崩壊する」と強調し、介護報酬の臨時改定の実施を訴えた。
NCCUの染川朗会長は、「光熱費などが大幅に上がっている。介護はもともと利益率が低い業界で、多くの事業所が極めて厳しい経営環境にある」と説明。「物価上昇に見合った分はきちんと対応して欲しい」と述べた。