定期巡回サービスの振興などに取り組む「全国定期巡回・随時対応型訪問介護看護協議会」は22日、定時社員総会と記念講演会を開催した。講演会では津金澤寛副理事長が、定期巡回サービスの普及に向けてケアマネジャーの理解を更に深めていくことも重要と語った。【Joint編集部】
津金澤氏はこの日、厚生労働省が民間のシンクタンクとともに実施した昨年度の調査・研究事業の成果を紹介。定期巡回サービスの普及を阻害する要因として、「人員確保が困難(67.6%)」「収支が安定しない・経営が難しい(56.7%)」を選んだ事業所が特に多かったと報告した。
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あわせて、「収支が安定しない・経営が難しい」と答えた理由では、「ケアマネに定期巡回サービスの特徴が十分に認知されていない(77.6%)」が最多だったと説明した。
そのうえで津金澤氏は、「ケアマネさんに定期巡回サービスの理解を更に深めて頂くことも重要」と指摘。「在宅で利用できるサービスの1つとして提案して頂けないと、利用者・家族としても選びようがない」と述べた。
また、協議会の担当者はJoint編集部に対し、「定期巡回サービスの事業者も、このサービスの良いところをもっと理解して頂けるように伝え続ける必要がある。我々としては、自治体にもケアマネさんらを対象とした研修会・勉強会などを行って頂きたいと考えており、講師・アドバイザーの派遣などで積極的に協力していく所存」とのコメントを寄せた。
厚労省の統計によると、全国の定期巡回サービスの事業所数は今年2月時点でおよそ1100ヵ所となっている。老健局の担当者はこの日の講演会で、「事業所数、利用者数ともに増加傾向にあるが、まだまだ供給が少ない」と解説。高齢者の在宅生活の限界点を高めていく観点から、定期巡回サービスの更なる普及を図る方策を引き続き検討していく意向を示した。