認知症の人と家族の会は24日、次の2024年度の介護保険制度改正に向けた要望書を厚生労働省へ提出した。【Joint編集部】
要介護1と2の高齢者に対する訪問介護、通所介護を市町村ごとの「総合事業」へ移管する構想について、強く反対する立場を改めて表明。趣旨に賛同する8万4092筆の署名(*)もあわせて示し、実施を見送るよう訴えた。
* 署名は24日時点で9万600筆まで増えているという。家族の会は今も活動を続けており、集まった署名を全て国へ提示する予定。
家族の会の鈴木森夫代表理事は会見で、「史上最悪の制度改正だ。給付の削減、介護サービスの削減を絶対に許すわけにはいかない」と強調。そのうえで次のように語った。
「要介護1と2は認知症の初期から中期の方も多く、ご本人も戸惑い、家族もケアに苦しむ、ある意味で一番大変な時期。この構想が実現したら、本当に在宅での介護が続けられなくなってしまう。利用者・家族の思いをしっかりと伝えたい」
家族の会はこのほか、利用者負担の引き上げを行わないことも要望書に盛り込んだ。2割負担の対象者を拡大すべきでないと主張。居宅介護支援のケアマネジメントで新たに利用者負担を徴収する案などについても、反対の姿勢を明確にした。