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節目の2025年は、新しい時代の制度のあり方を深く考える年になる。ケアマネジャーにとっても分水嶺となりそうだ。【Joint編集部】
今年は次の2027年度の介護保険改正に向けた議論が本格化する。論点の中には、居宅介護支援で一定の利用者負担を徴収することの是非も含まれる。また、介護職の追加的な処遇改善の具体策も焦点となる見通しだ。
そこで、日本介護支援専門員協会の柴口里則会長に今後重視すべき施策を聞いた。
柴口会長はケアマネジャーの処遇改善について、「最低でも平均年収500万円が必要。これはずっと言い続けてきているが、今後も粘り強く訴えていく」と強調した。
ケアマネジャーの給与水準が介護職員と大きく変わらない、場合によっては介護職員より低いことを念頭に、「今の給与水準には介護支援専門員の専門性が十分に反映されていない。大きな矛盾がある」と問題を提起。「処遇改善加算の導入より、基本報酬の引き上げによる賃上げが望ましい。最優先事項として国に働きかけていく」と述べた。
柴口会長のインタビュー動画はこちら↓
◆ ケアプラン有料化には「反対」
また、柴口会長はケアプランの有料化について、「自己負担の徴収に伴い介護支援専門員の負担が増え、公正・中立なケアマネジメントの徹底も難しくなる。引き続き反対していく」と言明。「相談支援にお金を支払うという文化が地域にない。時間をかけた丁寧な説明と国民の理解が不可欠で、次期改正で断行していい施策ではない」との認識を示した。
このほか、厚生労働省の検討会がケアマネジャーの業務を4つに分けて整理したことについては、「非常に良かった。介護支援専門員を疲弊させる無理なシャドーワークを減らす大きな一歩だ」と評価。続けて次のように語った。
「今後は地域課題の解決に向けた市町村主体の協議が非常に重要となる。ここに介護支援専門員が関与することで、より良い体制の構築につなげられるはず。介護支援専門員の負担軽減、居宅介護支援事業所の経営の安定化にもつながるよう、協会としても様々な支援策を講じていきたい」