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2025年1月30日

【青柳直樹】新時代は介護職が主役! 節目の2025年 働きやすい職場環境を競う潮流に

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《 ドクターメイト株式会社・青柳直樹代表 》

ついに2025年が到来しました。介護業界は今年から新たな時代に入ったと言っていいでしょう。国も年明け早々から、次の節目の2040年に向けてサービス体制を考える検討会を始動させました。【青柳直樹】

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◆ 何より高齢者のために


私は今年から、「介護職が主役の時代」が始まったと認識しています。


これまでの介護現場は、どちらかというと高齢者が中心でした。もちろんそれは素晴らしいことですし、高齢者の尊厳の保持や自立支援が極めて重要なことは今後も変わりません。



ただ新たな時代では、介護職の処遇改善や働きやすい職場環境の整備、負担軽減などが何より重視されるでしょう。そうでなければ人材が離れていき、そもそもサービス体制を維持することすら困難になるためです。


重ねて強調させていただきますが、高齢者の尊厳の保持や自立支援を軽視していいというわけではありません。逆です。高齢者のことをしっかり考えるからこそ、介護職の支援を重視して持続可能な体制を作らなければいけません。そこに注力する事業者が一段と増えることが、新時代の潮流だと考えています。


◆ 新時代の極めて大きな課題


介護現場は変わっていきます。


大きいのは85歳以上の高齢者の増加です。要介護度の重い方が増え、より高度なケアが求められるようになるでしょう。医療との連携は必須となり、自立支援・重度化防止の取り組みも更に重要性が増します。必要な知識の幅も広がらざるを得ません。


一方で、人手不足の状況は好転しない可能性が高いでしょう。日本全体の人口減少に伴い、人材確保はますます困難になっていきます。国の財政や現役世代の負担には限界があるため、投じられるリソースも多くありません。


質の高いサービスを限られた少数の職員で提供しなければならない。今もあるこの課題がより大きく、より困難になるのが新時代です。立ち向かうことは簡単ではありません。

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◆ まず何からやるべきか


介護事業者が力を注ぐべきことはなんでしょうか。やはり生産性の向上、質の高いサービスの提供、関連加算の算定です。目新しさのない話ですが、特に順序の大切さを指摘させていただきたい。


最初に優先して取り組むべきことは、働きやすい職場環境の整備です。介護職員は日々忙しく働いているので、まず負担軽減や残業削減などを実現すべきです。


例えば、いきなり新たなテクノロジーを導入しようとすると反発を招きかねません。適切な順序で進めれば、よりスムーズな変革が可能となるでしょう。


介護DXがなかなか進まない理由の1つは、新たなシステムの導入による一時的な負担の増大です。忙殺されて変化に適応することが難しい状況では、「今まで通りでいいや…」と挫折しても仕方ありません。だからこそ、まずはどこを改善できるのか考えることが非常に大切です。


具体的な改善策としては、業務の洗い出し、棚卸し、見える化があげられます。全ての業務を一度に見直すのは難しいので、まずは、介護職が特に時間をかけている業務をいくつか取り上げ、その効率化を考えるのもいいでしょう。「これが一番大変…」とみんなが思っている業務を改善するだけでも、大きな変化につながるはずです。

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◆ いかに新時代に適応するか


働きやすい職場環境の整備が進んだら、いよいよテクノロジーの導入やサービスの質の向上、加算の算定などに取り組んでみてください。新時代は事業者に、これまで以上に変化を受け入れ、適応することを求めるでしょう。今後は、時代に即した経営を実現する事業者が生き残っていくと思います。


これまで国は、幅広い事業者を救済する、存続させる施策を繰り返し講じてきました。私はこれも変わると思います。最近の動きを見ると、適応できない事業者が淘汰される、優れた事業者に統合される流れが加速していくように感じざるを得ません。


今後、国の施策に依存するだけの事業者は立ち行かなくなる可能性が高い。良いか悪いかは別として、それが厳しい現実なのではないでしょうか。


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