介護保険制度の見直しを話し合う審議会(社会保障審議会・介護保険部会)の9日の会合で、顕在化する人材不足などケアマネジャーをめぐる課題が取り上げられた。【Joint編集部】
厚生労働省は今月2日に大筋でまとめた検討会の「中間整理」を報告。ケアマネジャーの確保・定着に向けて、「他産業・同業他職種に見劣りしない処遇を確保する」と明記したことを説明した。
あわせて、利用者・家族のニーズに応えてきた結果として広がったケアマネジャーの業務の範囲を、「保険外サービスで対応し得る業務」「他機関につなぐべき業務」などに分類したことも紹介。こうした法定外の業務について、ケアマネジャーに丸投げすることなく地域課題として捉え直し、支援が途切れない体制づくりを地域ごとに協議するよう促す方針も示した。
会合ではこれを受けて、複数の委員がケアマネジャーに対する支援策の一層の強化を呼びかけた。
全国老人保健施設協会の東憲太郎会長は、「居宅介護支援のケアマネジャーは介護報酬の処遇改善加算を得られない。一方で介護施設などで働くケアマネジャーはその恩恵を受けられる」と問題を提起。「この乖離をどうするのか、という議論をしっかり進めてほしい」と述べ、厚労省に是正を求めた。
高齢社会をよくする女性の会の石田路子副理事長は、「ケアマネジャーの法定外の業務は、地域の高齢者の生活を支える大きな効果を生んでいる。それに見合う高い評価を検討する必要がある」と提言。民間介護事業推進委員会の山際淳代表委員は、「法定外の業務を担わざるを得ないという課題には、訪問介護のサービス提供責任者なども直面している。その視点も含め、具体的な対策を更に検討する必要がある」と要請した。