介事連、処遇改善加算の要件緩和を要請 介護職の追加3%賃上げも 財務相に要望書
介護・障害福祉の事業者で組織する全国介護事業者連盟は18日、政府が近くまとめる新たな経済対策に向けた要望書を加藤勝信財務相へ提出した。【Joint編集部】
介護・障害福祉の現場への十分な支援策を盛り込み、今年度の補正予算で必要な財源を確保するよう求めた。
介事連は職員の賃上げの必要性を訴えた。
今年度の報酬改定で拡充・一本化された「処遇改善加算」について、一部の算定要件の厳格化などで対応が難しくなったため、中小零細を中心に取得できない事業所もあると説明。取得促進を図る算定要件の緩和を提言した。
あわせて、職員の追加の賃上げを実現する新規策も注文した。
今年の介護職の賃上げ率と春闘の賃上げ率(*)などを勘案し、更に年収の3%程度の引き上げを具体化すべきと要請。居宅介護支援事業所のケアマネジャー、相談支援事業所の相談支援専門員らも対象に含めるよう呼びかけた。
* 介護関係9団体の調査結果によると、今年の介護職の賃上げ率は2.52%。一方、春闘の賃上げ率は5.10%(中小4.45%)だった。
介事連は要望書で、長引く物価の高騰などで介護・障害福祉の事業者が苦境に陥っていると指摘。他産業の賃上げが先行していることで、深刻な人手不足も一段と厳しくなったと強調した。
要望書ではこのほか、介護・障害福祉の事業者への支援策を「まんべんなく」講じることも求めた。
今年度の報酬改定で基本報酬が引き下げられた訪問介護など(*)に言及。職員の採用・定着の費用、燃料費、光熱費に対する補助などを、個別サービスへの支援メニューとして検討するよう要請した。
※ 介事連が個別支援を求めたサービスは、介護保険の訪問介護、定期巡回・随時対応サービス、夜間対応型訪問介護、訪問リハビリテーション、障害福祉の就労継続支援A型、グループホーム、放課後等デイサービス、児童発達支援、生活介護など。