ケアマネジメントをめぐる目下の様々な課題と向き合う国の検討会 − 。ケアマネジャーの確保・定着が改めて論点となった今月20日の会合で、日本介護支援専門員協会は具体策を提言した。【Joint編集部】
協会は賃金、労働環境、やりがいの3要素を揃えることが人材確保のポイントだと指摘。社会保障制度の枠内だけにとどまらず、他産業との比較の中で多面的視点に立って対応すべきと訴えた。
賃金については、最低賃金の引き上げや法定福利費の増加、物価の高騰などに応じて事業所が安心して上げられる環境が必要とし、「介護報酬での対応は当然」と強調。「賃金の適正額を検討する際は、“いくらなら働いてもらえるのか”という視点も必要」と促した。
また、「他の収益事業への従事も踏まえた常勤専従要件、兼務などのあり方を検討することも必要」と主張した。
労働環境の改善に向けては、カスタマーハラスメントの対策に言及した。
協会は「介護支援専門員を守るために厳格な対応が必要」と要請。居宅介護支援の運営基準に含まれる「提供拒否の禁止(*)」を見直し、カスハラを「正当な理由」に位置付けることも考えられるとした。
* 提供拒否の禁止=居宅介護支援の運営基準の第5条。ここに「指定居宅介護支援事業者は、正当な理由なく指定居宅介護支援の提供を拒んではならない」と記載されている。
あわせて「サービスの停止は、要介護高齢者らの生活のみならず生命にも直接的な影響を与えるため、事業所としても判断が難しい」と説明。カスハラの問題を広く周知していくことも含め、「国・都道府県・保険者が中心となって両者を守る体制作りが必要」と呼びかけた。
協会はこのほか人材確保に向けて、実務研修受講試験の受験要件の緩和、法定研修の負担軽減なども提言した。