厚労省、介護事業所のマイナカードリーダー導入に財政支援 来年度にも開始
介護保険被保険者証のペーパーレス化など介護DXを推進するため、厚生労働省はマイナンバーカードの読み取り機を導入する事業所・施設を費用面で支援する。【Joint編集部】
今後の予算編成過程で財源を確保し、早ければ来年度にも補助金などを支給できるようにする。19日に開催した審議会(社会保障審議会・介護保険部会)でこうした意向を明らかにした。
厚労省は介護DXの基底をなす国の重要なインフラとして、新たに「介護情報基盤」を整備する計画。事業所・施設、医療機関、自治体、利用者など関係者が、それぞれ必要な情報をオンラインでいつでも閲覧・確認できる環境を整備したい考えだ。
例えば要介護認定、請求・給付、ケアプラン、LIFEなどの情報が迅速に共有されることを想定。紙ベースのアナログなやり取りを一掃し、介護業務の効率化、職員の負担軽減、サービスの質や利便性の向上につなげる狙いがある。介護保険証のペーパーレス化も、こうした目的を実現する施策の一環として進めていく方針だ。
注)厚労省は従来の介護保険証の廃止を前提としておらず、マイナンバーカードと紙媒体を併用していく構えをみせている。
厚労省はこの日の審議会で、事業所・施設のマイナンバーカードの読み取り機に加えて、セキュリティ対策ソフトの導入などにかかる費用も支援すると説明。その金額や方法など具体的な中身は、これから詰めていくとするにとどめた。
事業所・施設への支援は来年度にも実施される見通し。厚労省は新たな「介護情報基盤」の運用をできれば2026年度から始めたい考えだが、現場の実情を考慮して慎重に日程を判断する姿勢も崩していない。全体のスケジュール感が明示されるのは、早くても今年の年末頃となりそうだ。
会合では委員から、事業所・施設への補助を十分な内容とするよう求める意見が相次いだ。また、介護職への技術的なサポートを充実させるよう促す声も多くあがった。