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2024年9月10日

【結城康博】私は孤立しているが… ケアマネの更新制は廃止すべき! “ケアマネ難民”の急増を防げ

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《 淑徳大学総合福祉学部 結城康博教授 》

厚生労働省の検討会(ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会)で、ケアマネジャーの法定研修のあり方が俎上に載せられている。【結城康博】

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もっとも、資格の更新制を廃止しようという議論は進んでいない。研修の負担を軽減する施策は講じられても、更新制そのものは今後も存続していくだろう。


私は「更新制廃止論」を唱え続けていきたい。表立ってこれを言う有識者は極めて少ないが、ここでも改めて持論を述べさせて頂く。


◆ 増える「ケアマネ難民」


私は現在、一定規模のある自治体で地域包括支援センターに関する会議の委員を務めている。


この会議体でよく取り上げられるのが、要支援者の「ケアマネ難民」の問題だ。認定結果が決まった後から、実際に担当してくれるケアマネを見つけるまでに1ヵ月も2ヵ月もかかり、スムーズに介護サービスを使えない高齢者が増えている。


もちろん自治体ごとに状況は異なる。すぐに見つかることもあるが、こうした深刻なケースもたびたび起きているのだ。


要因は周知の通りケアマネ不足にある。地域包括支援センターが居宅介護支援事業所へ依頼しても、人材がいないからと断られてしまっている。要介護者への対応だけで手一杯となるなか、報酬単価の低い要支援者を受け入れる余裕のある事業所は激減しているのが実情だ。

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◆ 現実味を帯びる介護崩壊


このような「ケアマネ難民」を生んでいる状況が、全国的に広がりつつある。これは由々しき事態ではないか。


百歩譲って要支援1の高齢者であれば、ケアマネ探しの待機期間も何とか耐えられるかもしれない。


しかし、要支援2の高齢者にとっては死活問題となりかねない。在宅生活の継続が困難となるケースも出てくるだろう。要支援2と要介護1の状態の違いは微妙であり、要介護1と判定されてもおかしくない要支援2の高齢者は多い。


介護保険料をずっと支払っているのに、いざ要支援と判定されると人材不足で「ケアマネ難民」とならざるを得ず、長期間にわたり満足にサービスを受けられない − 。


こうした「制度あってサービスなし」の現実がもう実際に生じている。より深刻化していけば、明らかに「崩壊」と言わざるを得ない状況となってしまうだろう。

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◆ 研修は重要、更新制は不要


つまり言いたいことは、ケアマネ不足の解消は待ったなしの課題だということだ。できるだけ早く、考えられるあらゆる施策を講じるべきではないだろうか。


私が訴えているのは、あくまでも更新制の廃止だ。研修は非常に重要で、できるだけ多くのケアマネに受けて頂きたい。


ただ、研修を受けていなければ資格を剥奪する更新制はなくすべきと考える。これにより、できるだけ多くの介護職、医療職にケアマネになってもらい、仕事を続けてもらうようにすべきではないだろうか。


より多くのケアマネに研修を受けてもらう方策としては、介護報酬の加算などでインセンティブをきかせることを提案する。当然、いつでもオンデマンドで受けられるようにする負担軽減策も不可欠だ。


◆ せめてベテランだけでも…


極めて残念なことに、更新制の廃止が近く実現することはほぼ100%ないだろう。ならばセカンドベストとして、例えば、更新研修を受けて資格の更新を複数回行った高齢のケアマネについて、更新制の例外とする特例措置を設けるのはどうだろうか。


資格の更新を機に仕事を辞めていく高齢のケアマネは多い。ベテランに研修を改めて受けさせることと、現場に残ってもらうことのどちらが大切だろうか。更新制の例外とすることは、貴重な人材により長く働き続けてもらう施策として効果的と考える。


今後、何らかの思い切った施策を講じなければ、要支援者の「ケアマネ難民」が全国的に急増していくに違いない。ケアマネの高齢化が進行しており、介護保険創設時に資格を取った人が次々と引退していく時期が来ている。


現在、ケアマネを目指そうとする若い世代は少ない。更新制の廃止は状況の改善につながる。ベテランのケアマネを例外とする応急措置も不可欠ではないだろうか。


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