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2024年7月18日

【石山麗子】進むデジタル化・AI活用 ケアマネジャーが変えることと変えないこと

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《 国際医療福祉大学大学院・石山麗子教授 》

先月、「骨太の方針2024」が閣議決定されました。【石山麗子】

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「骨太の方針」は、政府の経済政策や財政運営の基本的な方向性を示すものです。介護の動向も左右する重要な文書で、ケアマネジャーの皆様も概要を抑えておくべきものです。


骨太の方針2023」と「骨太の方針2024」では何が異なるのでしょうか。


2023では、未来への投資の拡大と構造的賃上げの実現を目指したことに加えて、少子化対策としてこども・子育て政策の抜本強化が強調されました。これに対し2024では、「医療・介護の改革」として医療・介護のデジタルトランスフォーメーション(DX)が打ち出されたことがポイントと言えるでしょう。


ダイレクトに「介護」の文字が掲げられました。2024年度の報酬改定でもDX推進は組み込まれましたが、政府方針である「骨太の方針2024」で明示されたことにより、これまでとは異なる次元で加速することが予想されます。

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とはいえ、全てのケアマネジャーが何か特別で難しいソフトを使わなければいけない、というわけではありません。


単にキーボードから音声入力へ切り替えるだけでも、作業効率は各段に上がります。AIを活用すればことさらです。企業や行政では会議録を作成したり、テキストデータから指定した情報を様式に振り分けたり、要約したりする技術を持つAIが活用され、圧倒的に効率化が進んでいます。


似たような機能を持つケアマネジャー向けソフトの開発も進んできました。法的、倫理的なハードルはありますが、もし利用者さんとの面談でAIを適切に活用できれば、アセスメントやモニタリングでの対話情報のテキスト化、様式への振り分けなどが自動でできるようになるでしょう。


とはいえ、会話による音声データだけでアセスメントは完了しません。ケアマネジャーが見た利用者の表情や環境、臭い、雰囲気など五感で感じ取った情報を追記して完成です。


AIは人間よりも聞きもらしや要約の偏りが少ないですし、瞬時に記録を作成できる強みがあります。助手として上手に活用できれば、業務の効率化や質の担保につながるでしょう。これから求められる技術は、AIに的確に指示する力量です。


最後に、DX推進は政府の命題ですが、DX化が目的化したり、利用者の権利が侵害されたりしてはいけません。DX推進過程では、「ケアマネジメントのデジタル化推進に関する倫理」という観点が欠かせないことを、決して忘れないようにしなければなりません。


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