後藤茂之厚生労働相は12日の閣議後記者会見で、新型コロナウイルスの新規感染者数が更に増えていくことへの懸念を示した。国民に行動制限を要請することにはさしあたり慎重な姿勢をとり、基本的な感染対策の徹底を改めて広く呼びかけた。【鈴木啓純】
11日の全国の新規感染者数は3万7124人。同日時点の1週間平均は4万6596人となり、前週比2.1倍と急増している。
後藤厚労相は増加要因について、「ワクチンや感染により獲得された免疫が時間の経過とともに減衰している」と分析。オミクロン株の新系統「BA.5」への置き換わりが進むことも念頭に、「更なる新規感染者数の増加が懸念される」と述べた。
一方で、病床の使用率が全国的に低い水準に留まっていることなどを踏まえ、「現状では行動制限をかけるような事態とは思っていない」と言明。「医療提供体制への影響を注視していく」とのスタンスをとった。
後藤厚労相は、「引き続き保健医療体制の維持・強化、ワクチンの追加接種などを着実に進めていく」と説明。「マスクの着用、手洗い、換気、3密の回避などの基本的な感染対策の徹底を改めて心がけて頂きたい」と語った。