厚生労働省は24日、ケアマネジメントをめぐる目下の様々な課題の解決策を話し合う検討会を開き、介護支援専門員の更新研修の負担軽減に向けた施策の方向性を提案した。【Joint編集部】
講義の科目を全国で統一的に実施したり、ケアマネジャーがそれぞれのペースで少しずつ受けられるようにしたりすることを、今後の論点として提示。オンラインを有効に活用することも含め、より具体的な議論を深めていく構えをみせた。
例えば、次の更新までの間に複数年をかけて、それぞれが望むタイミングで研修動画をオンデマンドで見ることで受講を重ねていける、といった柔軟な形とすることが想定されている。
更新研修の効率化を図るとともに、働きながらでも受講しやすい方法に変える狙いがある。講義を全国で統一的な内容とすれば、運営コストの削減や受講料の軽減などにもつなげられそうだ。
会合では多くの委員がこうした見直しに理解を示し、検討の方向性を共有した。少なからぬケアマネジャーが不満を抱いている更新研修を国はどう改善していくのか − 。そのアウトラインが見えた格好だ。更新制の廃止を促す委員も1人だけいた。
日本医師会の江澤和彦常任理事は、「全国統一のオンデマンド研修の具体化を検討していくことが必要。費用も大幅に軽減できる」と提言。日本介護支援専門員協会の柴口里則会長は、「個々の介護支援専門員が自らの課題と向き合い、必要なタイミングで必要な科目を受講できるようにすることが重要」と述べた。
奈良県生駒市の田中明美特命監は、「研修をオンデマンドにする場合、適切に受講したか否かをどう確認するか考えないといけない。講義後に簡単なチェックテストを行うなどの工夫が必要」と指摘。青い鳥合同会社の相田里香代表社員は、「受講料は事業所が支払い、保険者や都道府県が事業所を助成で支えることなどにより、ケアマネジャーの個人負担は実質なしとするのが望ましい」と要望した。