【介護報酬改定】デイの入浴介助加算、上位区分は要件緩和 動画や写真でも運用可 厚労省がQ&Aで解釈
新年度の通所介護の報酬改定では、入浴介助加算の上位区分(加算II)の算定要件が緩和された。【Joint編集部】
利用者宅の浴室の環境を評価するプロセスで、医師やリハ職らに代わって介護職員が訪問することも新たに認められた。スマートフォンなどを使って状況を把握し、それを専門職が事後的に評価する流れとすることが可能になる。専門職の確保の難しさに配慮した措置だ。
厚生労働省は昨年度末に公表したQ&Aで、入浴介助加算IIのこうした新たなルールに言及。事前に専門職の指示を受けた介護職員が、利用者宅で写真や動画を撮ってくる運用を認める考えを明らかにした。
「必ずしも(スマホなどの)画面を通して同時進行で対応する必要はない」と説明。ライブが前提という認識を否定し、「専門職の指示のもと、利用者の動作は動画、浴室の環境は写真にするなど、状況に応じて動画・写真を活用し、それを専門職に評価してもらうことで要件を満たす」との解釈を示した。
通所介護の入浴介助加算IIは、2021年度の報酬改定で創設された比較的新しいインセンティブ。利用者が自宅で自立して入浴できるよう取り組む事業所を評価するもので、55単位/日とされている。
主な算定要件としては、専門職が利用者宅を訪問して浴室環境を評価すること、その評価や利用者の身体状況を踏まえて個別の入浴計画を作ること、その計画に沿って個別の入浴介助を実践することなどが定められている。
もっとも、今のところ取り組みは十分に浸透していない。多くの事業所が従来通りの加算I(40単位/日)にとどまっているのが現状だ。
厚労省は新年度から、入浴介助加算IIの算定要件の明確化も図った。
報酬告示を改正し、個別の入浴計画に相当する内容を通所介護計画に盛り込めば要件を満たす旨を明記。利用者宅の浴室環境の評価を担う専門職には、医師、理学療法士、作業療法士、介護福祉士、介護支援専門員、福祉用具専門相談員、機能訓練指導員、地域包括支援センターの職員、福祉・住環境コーディネーター2級以上の人らが該当するとも明示した。