【介護報酬改定】厚労省、テクノロジー導入の「生産性向上加算」を新設 コスト補填で取り組み促す
厚生労働省は来年度の介護報酬改定で、テクノロジーの導入などを要件とする「生産性向上推進体制加算」を新たに創設する。【Joint編集部】
見守り機器などの導入・運用に伴う継続的なコスト増を補填し、介護現場に取り組みを促す。特養や老健、介護付きホーム、グループホーム、ショートステイ、小規模多機能などを対象とする。上位区分で利用者1人につき100単位/月とした。
厚労省は22日の審議会(社会保障審議会・介護給付費分科会)で提案。委員らの了承を得て方針を決定した。今年度内に告示する。
要件は下記の通り。生産性向上の具体策を検討する委員会を開催したり、見守り機器などのテクノロジーを導入したりすることが求められる。
2024年度介護報酬改定|短期入所系サービス、居住系サービス、多機能系サービス、施設系サービス共通
《新設》生産性向上推進体制加算(II)10単位/月
◯ 利用者の安全、介護サービスの質の確保、職員の負担軽減に向けた方策を検討する委員会を開催し、「生産性向上ガイドライン」に基づく業務改善にも継続的に取り組んでいること
◯ 見守り機器などのテクノロジー(*)を1つ以上導入していること
◯ 1年ごとに1回、業務改善の取り組みによる効果を示すデータをオンラインで提供すること
《新設》生産性向上推進体制加算(I)100単位/月
◯ 加算(II)の要件を満たし、提出したデータで業務改善の取り組みの成果が確認されていること
◯ 見守り機器などのテクノロジーを複数導入していること
◯ いわゆる介護助手の活用など、職員間の適切な役割分担を行っていること
◯ 1年ごとに1回、業務改善の取り組みによる効果を示すデータをオンラインで提供すること
* ここでいう「テクノロジー」は見守り機器、インカムなど職員間の連絡調整を迅速化するICT機器、介護ソフトやスマホなど介護記録の作成を効率化するICT機器を指す。上位の加算(I)を算定するためには、この全てを導入する必要がある。