来年度の介護報酬改定に向けた協議を重ねている審議会が2日に実施した関係団体ヒアリング − 。2回目となった今回は、リハビリテーション専門職でつくる団体も参加した。【Joint編集部】
リハ専門職の処遇改善を求める声が相次いだ。
日本理学療法士協会、日本作業療法士協会、日本言語聴覚士協会は連名で、「リハ専門職の給与は20年変化がなく、他職種と比べ伸び率に大きな差が生じている。処遇の低下は優秀な人材の流出を招き、リハの質の低下につながりかねない」と問題を提起。「医療・介護・障害福祉を取り巻く環境は常に変化しており、リハ専門職には不断の研修・自己研鑽が求められているが、低い処遇の環境下では、研鑽に必要な費用の捻出さえも現場で働く人の負担になっている」と指摘した。
そのうえで、政府と産業界が目下推進している水準と同等の賃上げを要請。「給与水準引き上げのため、来年度の診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス報酬のトリプル改定は異次元の改定率とすること。公定価格の引き上げが理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の給与に反映されるよう取り組むこと」と訴えた。
出席した代表者は、「介護職員の処遇改善加算のような明確な仕組みが必要だと強く要望させて頂く」と言明した。
また、全国リハビリテーション医療関連団体協議会も同じ主張を展開。「報酬改定が直接的にリハ専門職の給与に反映されにくいことも課題。公定価格がリハ専門職の給与に反映される仕組みを設置する必要がある」と念を押した。
来年度の介護報酬改定では、現場を支える人材の処遇改善が最重要テーマの1つとなる。介護職員やホームヘルパーだけでなく、ケアマネジャーの賃上げも欠かせないという意見が多い。政府は関連加算(*)の一本化も検討しており、既存のリソースをどう配分するか、新たな財源をどれだけ確保できるかが大きな焦点となる。
* 処遇改善加算、特定処遇改善加算、ベースアップ支援加算を指す