来年度の障害福祉サービスの報酬改定に向けた検討を重ねている国の有識者会議は8月31日、「主な論点」をまとめた。【Joint編集部】
これまでの委員の意見、関係団体ヒアリングで集まった現場の声などを踏まえ、厚労省が今後の議論の方向性を整理したもの。論点は多岐にわたるが、柱の1つに昨今の物価高騰、他産業の賃金上昇などを踏まえた人材の確保策が位置付けられた。
あわせて、ICTなどの活用による業務の効率化、事務負担の軽減も盛り込まれた。会合では委員から、「最も大きな課題は人材の確保」「処遇改善加算は効果があるが、物価高騰などはそれを上回っている」「最低賃金が上がって非常勤職員の給与が上がる一方、正規職員の給与は滞りがち」「事業所は人手不足で困っており、人員基準の緩和を検討する必要がある」などの声があがった。
今後、厚労省は年末にかけて「主な論点」に沿ってサービスごとの具体策を検討していく考え。「主な論点」には、「障害福祉サービスの予算額が年々増加し、利用者数・事業所数が大幅に増加しているサービスが見られるなか、サービス間・制度間の公平性や制度の持続可能性の確保が重要な課題。メリハリのきいた報酬体系とする」との方針も明記した。このほか、
◯ 相談支援と医療との連携の更なる促進
◯ 障害者虐待の防止を図る方策
◯ 情報公表制度のあり方を含むサービスの透明性向上の方策
なども打ち出した。