新型コロナウイルスの「オミクロン株」に対応した新しいワクチンについて、政府は今月半ばから接種を開始することに決めた。加藤勝信厚生労働相は2日の会見で、60歳以上の高齢者や基礎疾患のある人に加えて、医療・介護の現場を支える職員も優先的に接種できるようにすると表明した。【Joint編集部】
こうした方針は専門家で構成する厚労省の審議会で了承された。
審議会は新ワクチンの有効性を、「従来型ワクチンを上回る重症化予防効果が期待される。短い期間である可能性はあるものの、感染予防効果、発症予防効果も期待される」と評価。「オミクロン株と武漢株の両方の成分を含み、2種類の異なる抗原が提示されることになるため、誘導される免疫もより多様な新型コロナウイルスに反応する。このため、今後の変異株にも有効である可能性がより高いと期待される」と分析している。
加藤厚労相は会見で、「製薬企業との交渉の結果、輸入などが一部前倒しされることになった。欧米に遅れることなく、我が国でも9月半ばから国内配送を開始できる見込みとなった」と説明した。
そのうえで、「重症化リスクなどを踏まえ、まずは4回目接種の対象者から接種を始める」と明言。「全ての国民を対象とする新ワクチンの接種は、10月半ばを目途に準備を進める」との意向を示した。また、「全国にしっかり行き渡る量を確保していきたい。自治体とも連携をとって円滑に接種を進められるように対応する」と述べた。