厚生労働省は12日、来年4月の障害福祉サービス報酬の改定を議論する有識者会議を開催した。【Joint編集部】
関係する6つの団体を招いてヒアリングを実施。NPO法人「日本相談支援専門員協会」は、深刻化する人材不足への対策を講じるよう改めて訴えた。
「福祉業界全体で人材不足が叫ばれているが、相談支援専門員は一層困難な状況。一定の実務経験、研修修了が必要で、新卒者や他分野からの転職者が要件を容易に満たせない」
協会はこう問題を提起。社会福祉士や精神保健福祉士といった国家資格の保有者に限り、実質5年以上などの実務経験要件を緩和してはどうかと提案した。
あわせて更新研修にも言及。産休・育休などやむを得ない事情で受講できない人を支えるため、更新期間の延長や要件の見直しといった救済措置を設けるよう求めた。
協会は加えて、既存の加算の対象に含めるなど相談支援専門員の処遇改善も必要と主張。専門コース別研修などの受講を後押しする施策の強化も要請した。
この日のヒアリングにはこのほか、全国脊髄損傷者連合会や全国医療的ケア児者支援協議会、日本精神神経科診療所協会なども参加した。厚労省は今後も現場の意見の聴取を重ね、8月までに報酬改定の論点を整理する方針。具体策は秋以降に議論し、年内にその大枠を固める予定だ。