ケアプランの事業所間オンライン共有、異なる介護ソフトでも「標準仕様」で可能に 厚労省が環境整備
居宅介護支援事業所と他の介護サービス事業所によるケアプランなどのやり取りを、全国的に広くオンライン化することで大幅に省力化していく − 。
この構想を具体化するための準備を厚生労働省が進めている。異なるベンダーの介護ソフトを使っている事業所どうしでも、相互のデータ連携をよりスムーズに行えるようにしていく計画だ。【Joint編集部】
今月、データ形式やフォーマットを規定したケアプランなどの「標準仕様」の最新版を公表。これらのPDFやExcelのファイルを、公式サイトからもダウンロードできるようにした。30日に発出した介護保険最新情報のVol.1095で周知している。
厚労省はこうした「標準仕様」を使ったセキュアな「ケアプランデータ連携システム」を、今年度中にも整備すべく取り組んでいく。介護現場を悩ませる事務負担の軽減につなげる狙いがある。
居宅のケアマネジャーと訪問介護、通所介護などの事業所は、必要書類を共有する際にFAXや紙の手渡し、郵送といった非効率な方法をとることが多々あり、これが生産性向上の大きな課題となっている。ネックは環境がまちまちなこと。介護ソフトが違うとデータ連携も円滑に処理できないことが少なくないため、やむを得ず紙媒体に依存する結果に陥りがちだ。
厚労省はこうした状況の解消を目指す。ベンダーにファイルの出力、取り込みなどの設計を「標準仕様」に合わせてもらい、介護ソフト横断的にシームレスなデータ連携を実現したい考えだ。実績の手入力の手間、転記の際の誤りも無くせるほか、印刷費や交通費、郵便代などコストの縮減にも結びつくとみられる。
厚労省は今回、医療機関や介護施設、訪問看護ステーションなどと居宅のケアマネの連携も重要と改めて説明。ケアプランに加えて、入院時情報連携加算や退院・退所加算の必要書類、訪問看護計画書、訪問看護記録書などの「標準仕様」も提示し、これらのやり取りも効率化していく方針を示した。