政府は20日、2023年版の「高齢社会白書」を閣議決定した。【Joint編集部】
白書によると、コロナ禍の前と比べて高齢者のインターネットの利用が大幅に増えた。情報機器に全く関心を示さない人は、もはやマイノリティとなっている。今後、介護サービスの利用者像も更に変化していきそうだ。
ネットでの情報収集の状況を問うと、「調べることがある」と答えた高齢者は50.2%と半数を超えた。前回の2017年度調査の約2.5倍に広がっている。
具体的な検索内容としては、「病気について」が39.0%で最も多い。「病院などの医療機関」が30.1%、「薬の効果や副作用」が25.1%と続いていた。
情報機器の利用状況をみると、「携帯電話・スマホで家族や友人などと連絡をとる」は75.7%。「ネットで情報を集めたりショッピングをしたりする」も28.3%で、前回調査の2倍以上となっている。一方、「情報機器を使わない」は14.6%と少ない。
こうした結果について白書では、「コロナ禍が高齢者の非対面コミュニケーションのきっかけになっていると考えられる」と分析。「ネットで情報を収集すること、情報機器で連絡をとることなどに対する意識の変化もみられる。ネットを活用した高齢者の社会活動につながる可能性も考えられる」と指摘している。
この調査は、昨年の10月から11月にかけて行われたもの。65歳以上の男女4000人が対象で、60.4%の2414人から回答を得ている。