政府は今週、2023年版の「消費者白書」を閣議決定した。【Joint編集部】
それによると、全国の消費生活センターなどを通じて集計した通信販売の定期購入に関する相談の件数が、昨年1年間で7万5478件にのぼっていた。
なかでも65歳以上の高齢者からは、化粧品や健康食品などを中心に2万5155件(全体の33.3%)の相談が寄せられていたという。前年から2倍近くに増え、過去最多となっている。
インターネット通販やテレビショッピングなどを通じた定期購入に関する相談が多い。高齢者が思わぬトラブルに見舞われるケースが増えているとみられる。
また、75歳以上の高齢者は消費者被害を受けても積極的な対応を取らない傾向が強いことも分かった。
「トラブルにあった場合に、事業者へ問い合わせたり交渉したりする」と答えた割合は45.2%。65歳から74歳(60.7%)と比べて15.5ポイントも低くなっている。
白書では、デジタルリテラシーの低さや健康不安、孤独・孤立など高齢者が直面しやすい課題が、消費者被害に巻き込まれる可能性を高めていると説明。こうしたトラブルを未然に防ぐためには、行政をはじめとする様々な主体による見守り活動などが有効だと指摘した。
河野太郎消費者担当相は13日の会見で、「消費者庁としても高齢者の見守り、消費者教育に取り組んでいきたい」と述べた。