関係者らが長年にわたり待ち望んできた日がやってきた。14日の参議院本会議で、当事者が尊厳を保って暮らせる共生社会を目指す認知症基本法が全会一致で可決、成立した。【Joint編集部】
「全ての認知症の人が基本的人権を享有する個人として、自らの意思によって日常生活・社会生活を営めるようにする」
掲げられている基本理念の1つだ。新たに制定された認知症基本法は、こうした基本理念に沿って施策を立案・遂行する責務を政府に課す。
内閣総理大臣を本部長とする「認知症施策推進本部」を設置し、基本計画の策定・具体化をつかさどるよう定める。そのプロセスで当事者の意見を聴くことも求める。
都道府県や市町村にも、基本理念に沿った計画の策定、施策の展開を促す。医療・介護サービス提供者の責務にも言及。「国や自治体の認知症施策に協力するとともに、良質かつ適切なサービスを提供するよう努めなければならない」と明記した。
国や自治体が進めるべき施策としては、相談体制の整備や意思決定の支援、権利・利益の保護、社会参加の機会の確保などを列挙。国民の理解増進やバリアフリー化、多様な主体の連携、関連する研究の推進なども盛り込んだ。