政府は7日の経済財政諮問会議で、今年度の「骨太の方針」の原案を提示した。【Joint編集部】
来年4月に迫る診療報酬、介護報酬、障害福祉サービス報酬の“トリプル改定”にも言及。次のような玉虫色の記載にとどめた。
「物価高騰、賃金上昇、経営の状況、支え手が減少する中での人材確保の必要性、患者・利用者負担、保険料負担の抑制の必要性を踏まえ、必要な対応を行う」
少子化対策の拡充に向けて財源確保につながる改定が求められることに加え、物価高騰や他産業の賃上げなどで介護現場が追い詰められていることにも配慮。政府関係者は、「考えるべきことを並べてフラットに書いた」と説明した。
原案では「異次元の少子化対策」を念頭に、「医療・介護の不断の改革によりワイズスペンディングを徹底し、保険料負担の上昇を抑制することが極めて重要」と強調。介護職の賃上げの必要性にも触れつつ、テクノロジーの活用や経営の大規模化、協働化、見える化などで効率的なサービス提供体制を作ることの重要性も指摘した。
政府は「骨太の方針」を今月中に閣議決定する予定。玉虫色の表現とした来年度の“トリプル改定”をめぐる議論は、夏以降に本格化させる。介護現場の関係者は報酬の引き上げを強く求めており、年末にかけて綱引きが一段と激化していきそうだ。